イトラベット錠25mg

2025/07/31

品名 イトラベット錠25mg
一般的名称
承認年月日 1:2016/09/20
承認区分 医薬品
承継年月日
届出年月日
再審査結果通知日
製造販売業者 物産アニマルヘルス株式会社
選任製造販売業者
製剤区分 抗生物質製剤
規制区分 指定医薬品, 要指示医薬品
有効期間
添付文書 ダウンロード
主成分
No. 主成分 分量 抗菌剤の系統大分類 抗菌剤の系統中分類 抗菌剤の系統小分類
1 イトラコナゾール 25mg/本品1錠(95mg)中 抗真菌剤 抗真菌剤 イトラコナゾール
包装単位 PTP包装:10錠、60錠
使用禁止期間
休薬期間
効能効果 有効菌種
マラセチア・パチデルマチス
適応症
犬:マラセチア皮膚炎
用法用量 犬に体重1kg当たりイトラコナゾールとして5mgを基準量とし、1日1回、食直後に14~21日間経口投与する。
使用上の注意 (基本的事項)

1.守らなければならないこと

(一般的注意)

(1)本剤は要指示医薬品であるので獣医師等の処方箋・指示により使用すること。

(2)本剤は効能・効果において定められた適応症の治療にのみ使用すること。

(3)本剤は定められた用法・用量を厳守すること。なお、用法・用量に定められた期間以内の投与であってもそれを反復する投与は避けること。

(4)本剤の使用に当たっては、治療上必要な最小限の投与に止めること。

(使用者に対する注意)

(1)動物実験(ラット、マウス)で催奇形性が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある婦人は、誤飲しないように十分注意すること。

(2)小児は本剤を取り扱わないこと。

(犬に関する注意)

(1)他の医薬品で治療中の犬に使用する場合は、事前に獣医師に相談すること。

(取扱い及び廃棄のための注意)

(1)本剤は投与時にPTPシートから取り出し、速やかに使用すること。

(2)変色が認められた場合には使用しないこと。

(3)小児の手の届かないところに保管すること。

(4)アルミニウムラミネート開封後は、光、湿気を避けて保管すること。

(5)誤用を避け、品質を保持するため、他の容器に入れかえないこと。

(6)本剤を廃棄する際は、環境や水系を汚染しないように注意し、地方公共団体条例等に従い処分すること。

2.使用に際して気を付けること

(使用者に対する注意)

(1)誤って薬剤を飲み込んだ場合は、直ちに医師の診察を受けること。

(2)人でミコナゾールとワルファリンとの併用により、ワルファリンの作用が増強する報告があるので、ワルファリンを投与されている者は、本剤が皮膚等に付着しないよう注意すること。

(犬に関する注意)

(1)副作用が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。

(2)人でミコナゾールとワルファリンとの併用により、ワルファリンの作用が増強する報告があるので、ワルファリンの投与をうけている犬及び猫に本剤を使用する場合は、獣医師に相談すること。

(専門的事項)

①禁忌

(1)本剤は犬以外に使用しないこと。

(2)本剤による過敏症状を起こしたことがある犬には、投与しないこと。

②対象動物の使用制限等

(1)本剤は生後5ヶ月未満の犬には投与しないこと。

(2)体重2.1kg未満の犬には投与しないこと。

(3)妊娠犬、授乳中及び繁殖に供する予定(妊娠)のある犬に使用しないこと。

(4)肝機能障害及び心疾患がある犬には注意して使用すること。

(5)高齢犬への投与については肝機能障害を有する個体の割合が多いので投与際しては注意すること。

(6)マラセチア皮膚炎を適切に鑑別し、その他の皮膚炎には使用しないこと。

(7)肝機能障害あるいは腎機能障害のある犬の安全性は確立されていない。

③重要な基本的注意

(1)21日間投与後の再投与について安全性が確認されていないため、本剤投与期間終了後に、再度投与する場合は動物の薬剤投与歴およびアレルギー歴に関する問診を十分に行い、慎重に投与すること。

(2)本剤は、他剤と相互作用を生じる可能性がある。特に持続性の動物用医薬品を使用している場合に本剤を併用する場合は動物の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。

(3)本剤の投与に当たっては、飼い主に対して投与対象犬の医薬品の使用状況を確認するとともに、本剤投与後は他の医薬品を使用するときに危険な場合があることを飼い主に十分説明すること。また、セカンドオピニオン等で他の病院を訪れる見込みがある場合には、当該製剤を投与した旨を伝えるよう指導すること。

④相互作用

(1)本剤は、主に肝チトクロームP450 3A4(CYP3A4)によって代謝される。また、本剤は、CYP3A4及びP糖蛋白に対して阻害作用を示す。他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、動物の状態を十分観察し、慎重に投与すること。また、本剤投与終了後の血漿中薬物濃度は徐々に低下するため(下表参照)、本剤によって代謝が影響される薬剤の投与開始に際しては動物の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。

表 犬に本剤を5mg/kgで21日間反復経口投与した時の血漿中イトラコナゾール及び水酸化イトラコナゾール濃度(トラフ値)の推移

__________________________________________
薬剤  投与   投与8日   投与15日   投与終了   投与終了    投与終了  
   開始前                  後1日    後7日     後14日  
__________________________________________
IT  <0.01  0.12±0.04  0.47±0.13  0.45±0.18  <0.01~0.02  <0.01  
__________________________________________
ITOH <0.01  0.26±0.08  0.91±0.13  0.87±0.21   0.04±0.02  <0.01  
__________________________________________

単位:μg/mL、IT:イトラコナゾール、ITOH:水酸化イトラコナゾール

(2)人でミコナゾールとワルファリンとの併用により、ワルファリンの作用が増強し、出血や血液凝固能検査値の変動が報告されている。

【併用禁忌薬】

血管拡張薬:シルデナフィル、タダラフィル

【併用注意薬】

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬:ビンクリスチン等
グルココルチコイド:メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン
抗炎症薬:コルヒチン
抗不整脈薬:ジソピラミド、ベラパミル
鎮静薬:ミダゾラム、アルプラゾラム
免疫抑制薬:シクロスポリン、タクロリムス水和物
鎮痛薬(オピオイド):メサドン、ブプレノルフィン
認知症治療薬:セレギリン
抗凝固薬:ワルファリン
心不全治療薬:(強心配糖体):ジゴキシン
抗がん薬:ブスルファン
セファム系抗生物質:セフォベシン
マクロライド系抗生物質:クラリスロマイシン、エリスロマイシン
H2遮断薬
プロトンポンプ阻害薬:オメプラゾール等
制酸剤:乾燥水酸化アルミニウムゲル等
NSAID:メロキシカム
フルオロキノロン系抗菌薬:シプロフロキサシン
抗てんかん薬:フェノバルビタール
マクロライド系駆虫薬
ノミ・ダニ駆虫薬:スピノサド
抗真菌薬:ケトコナゾール
肥満細胞腫治療薬:トセラニブ
強迫性障害治療薬:クロミプラミン

⑤副作用

(1)本剤の投与により、嘔吐、下痢、食欲低下、血小板数の減少が見られることがある。このような場合には、必要に応じ、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。

(2)本剤の投与により、肝障害が生じるおそれがある。

⑥その他の注意

(1)犬に本剤を投与した試験(臨床試験や安全性試験)では認められていないが、イトラコナゾールを有効成分とする人体用医薬品の添付文書には、以下の情報が重大な副作用として記載されている。:うっ血性心不全、肺水腫、肝障害、胆汁うっ滞、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎、多形紅斑、ショック、アナフィラキシー
貯蔵方法 気密容器
備考 ・社名変更(R4.4.1付):DSファーマアニマルヘルス株式会社→住友ファーマアニマルヘルス株式会社

・社名変更(R5.6.1付):住友ファーマアニマルヘルス株式会社→物産アニマルヘルス株式会社
反芻動物由来物質有無 由来物質有り
反芻動物由来物質原産国名 オランダ、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルグ
副作用情報
No. 報告年月日 動物種 品種 転帰
1 2019/10/16 チンチラ オス 不明
2 2022/06/17 シーズー オス 進行中