ニッピブルBSE検査キットⅡ

2025/03/18

品名 ニッピブルBSE検査キットⅡ
一般的名称
承認年月日 1:2017/01/19 2:2017/09/21
承認区分 体外診断用医薬品
承継年月日
届出年月日
再審査結果通知日
製造販売業者 株式会社 ニッピ
選任製造販売業者
製剤区分 生物学的製剤
規制区分
有効期間 製造後18カ月間
添付文書
主成分
No. 主成分 分量
1 プロテイナーゼK溶液 1.0mL/試薬B(プロテイナーゼK) 1.0mL中
2 マイクロバイアルセリンプロテイナーゼ 1.0mg/試薬C(マイクロバイアルセリンプロテイナーゼ) 1.0mL中
3 抗プリオン蛋白質モノクローナル抗体1F5 50~300μg/抗体プレート 1枚中
4 ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)標識抗プリオン蛋白質モノクローナル抗体T2 0.72~3.6μg/標識抗体溶液 0.4mL中
5 リコンビナント牛プリオン蛋白質 4ng/陽性コントロール 1バイアル中
6 3,3’,5,5’-テトラメチルベンチジン溶液 15mL/基質液 1キット中
包装単位 ・ニッピブルBSE検査キット前処理用試薬の構成要素  
(下記の構成要素を組み合わせる)

①試薬A(100mL)1本
②試薬B(1.0mL)1本
③試薬C(1.0mL)1本

・ニッピブルBSE検査キット検出用試薬の構成要素
(下記の構成要素を組み合わせる)

④抗体用プレート(96ウェル)1枚
⑤標識抗体溶液(0.4mL) 1本
⑥標識抗体用希釈液(12mL)1本
⑦陽性コントロール 1本
⑧陰性コントロール(3mL)1本
⑨基質液(15mL)1本

前処理用試薬と検出用試薬を組み合わせてニッピブルBSE検査キットⅡとする。

・①~③と⑤~⑨の試薬を紙箱に収める。密封包装した④抗体プレート及び添付文書を同じ箱に収納して、1キットとする。
使用禁止期間
休薬期間
効能効果 牛延髄における異常プリオン蛋白質の検出
用法用量 ○前処理  

ニッピブルBSE検査キット前処理用試薬及び、「ニッピELISA試薬・前処理器材セット」を用いる。

○前処理操作のための準備

・恒温器の設定

前処理の作業を開始する前に2台の恒温器の電源を入れ、温度をそれぞれ56℃と100℃に設定する。

○酵素混合液の調製

・試薬A、試薬B及び試薬Cを静かに転倒混和し、変化のないことを確認する。

試薬Aの量は(検体数+1)mLとする。試薬A、試薬B及び試薬Cを表1に従い、100:1:1の比率で量りとって混合し、緑色となることを確認して、酵素混合液とする。酵素混合液は用時調製し、使用まで2~8℃で静置する。

  表1.試薬A、試薬B及び試薬Cの混合例

   検体数  試薬A(mL)  試薬B(μL)  試薬C(μL)
     2     3mL      30μL      30μL
    10     11mL 110μL      110μL
    15     16mL 160μL      160μL
    20     21mL 210μL      210μL
    25     26mL 260μL      260μL
    30     31mL 310μL      310μL
    35     36mL 360μL      360μL
    40     41mL 410μL      410μL
    45     46mL 460μL      460μL
    50     51mL 510μL      510μL

○前処理用操作

1.閂部を含む延髄110±20mgを採取する。

2.バイオマッシャーのフィルターチューブを回収用チューブ内にセットし、採取した組織を入れ、破砕棒を挿入する。

3.破砕棒を押し込み、15,000×g,30秒間の遠心分離操作を行う。

4.フィルターチューブと破砕棒を取り外し破棄する。回収用チューブに酵素混合液1mLを加え、蓋を閉め、細胞破砕装置により全体が均一になるまで攪拌する。

5.56℃で10分間反応させる。

6.数回転倒混和し、すぐに100℃で10分間反応させる。

7.37℃以下まで冷却する。

8.冷却されたことを確認後、転倒混和し(試験管ミキサーでも可)ニッピブルBSE検査キット検出用により異常プリオン蛋白質の検出を行う。

○検出

ニッピブルBSE検査キット検出用試薬及び、「ニッピELISA試薬・前処理器材セット」を用いる。

○検出操作のための準備

・洗浄液の調製

濃縮洗浄液は、40倍濃度である。使用前に常温に戻し十分に転倒混和する。濃縮洗浄液25mLに対して精製水を975mL加え、混和後洗浄液とする。

○希釈標識抗体液の調製

標識抗体溶液を標識抗体用希釈液で30倍に希釈して希釈標識抗体溶液とする。希釈標識抗体溶液は青色を呈する。用時調製する。

○陽性コントロールの調製

陽性コントロールのバイアル瓶に精製水を2mL加えて完全に溶解し、そのまま使用する。溶解当日に測定に供しないものは冷蔵する。

○検出用操作

1.試薬を使用前に常温に戻す。
2.抗体プレートに陰性コントロールを100μLずつ2ウェルに、検体、陽性コントロールをそれぞれ100μLずつ分注する。
3.プレートカバーをして37℃で1時間反応させる。
4.プレートウォッシャーを用いて液量300μL以上で4回洗浄する。次の操作までに5分以上の間隔を空けない。
5.すべてのウェルに希釈標識抗体液を100μLずつ分注する。
6.プレートカバーをして4~8℃で30分間反応させる。
7.プレートウォッシャーを用いて液量300μL以上で6回洗浄する。次の操作までに5分以上の間隔を空けない。
8.すべてのウェルに基質液を100μLずつ分注する。
9.プレートカバーをし、遮光して常温で30分間反応させる。
10.すべてのウェルに停止液を100μLずつ分注する。
11.30分以内にプレート底面のよごれや水滴を拭き取り、液面に気泡がないことを確認した後、580nmから650nm間の任意の波長の吸光度を対照として、検体、陽性コントロール、陰性コントロールの波長450nmにおける吸光度を測定する。

○判定方法

・カットオフ値の算出

陰性コントロール2ウェルの吸光度の平均値に0.30を加えた値をカットオフ値とする。

[カットオフ値]=[陰性コントロールの吸光度の平均値]+0.30

○測定系の確認

陰性コントロール2ウェルの平均吸光度および陽性コントロールの吸光度が以下の条件を満たしていることを確認する。以下の条件を満たさない場合は操作上なんらかの問題があると考えられるので、再度試験を実施する。

・陰性コントロールの吸光度の平均値が0.2以下
・陰性コントロールの吸光度を差し引いた陽性コントロールの吸光度が1.2以上

○結果の判定

試験の結果、検体の吸光度がカットオフ値以上の場合を陽性、カットオフ値未満の場合を陰性と判定する。

○判定上の注意事項

・カットオフ値よりわずかに低い吸光度(-10%以内)を示した検体及び陽性と判定された検体については再検査を実施する。
・再検査は1検体につき2ウェルを用いて実施する。
・再検査は「ニッピブルBSE検査キット前処理用の操作方法」の、閂部を含む延髄の採取から行う。
・再検査において2ウェルのうち1ウェルでもカットオフ値を超えた場合は、陽性と判定する。
・本製剤で陽性と判定された検体については、他の免疫学的検査、病理組織学的検査及び免疫組織化学的検査を用いて確認を行い、最終判定とする。
使用上の注意 【一般的注意】

(1)本キットは定められた使用方法を厳守すること。

(2)本キットは使用目的において、定められた用途に対してのみ使用すること。

(3)本キットで陽性と判定された検体については、免疫組織化学的検査等により確認すること。

(4)国が定める牛海綿状脳症(BSE)検査に関する要領等に基づき使用すること。

【使用者に対する注意】

(1)作業は安全性の管理されている場所で行うこと。

(2)作業者は、実験用の着衣、手袋、バイザー付きマスク、あるいは安全ゴーグルとマスクを着用し、安全を確保すること。

【使用時の注意】

(1)検体を 2~8℃に保存した場合は24時間以内に使用すること。それ以上保存する場合は凍結保存(-20℃以下)すること。

(2)検体間の相互汚染を避けること。

(3)陽性コントロールは凍結乾燥品であり、開封は十分注意しゆっくりと行うこと。

(4)前処理操作には「ニッピELISA試薬・前処理器材セット」に含まれるバイオマッシャー及び回収用チューブを用いること。

(5)バイオマッシャーは再使用せず、必ず新しい物を使用すること。使用の前後に破損の無いことを確認すること。

(6)バイオマッシャーを使用する際には、検体がフィルター面に接するまで破砕棒を回しながら確実に押しこみ、Oリングが外れていないことを確認すること。

(7)検体の前処理に細胞破砕装置としてFastPrep(Qbiogene)を使用する場合は、強度4で30秒間攪拌する。マルチビーズショッカー(安井器械)を使用する場合は、2,000rpmで30秒間攪拌する。

(8)酵素処理時には、回収用チューブのキャップがとまるまで、しっかりと締めること。

(9)酵素処理が終了した試料を2~8℃に保存した場合は、24時間以内に使用すること。それ以上保存する場合は凍結保存(-20℃以下)すること。

(10)検体および検体を含む溶液を飛散させないこと。

(11)検出操作には「ニッピELISA試薬・前処理器材セット」に含まれる濃縮洗浄液及び反応停止液を用いること。

(12)ロットが異なるキットの構成試薬や他の製品の構成試薬を混ぜたり、交換して使用しないこと。

(13)基質液は遮光すること。

(14)基質液を試験管に出したときには、無色透明であることを確認すること。

(15)⑥標識抗体用希釈液・⑧陰性コントロールについて、成分が析出する場合があるが、そのまま使用しても品質・性能には影響を与えない。また、37℃に加温すれば析出物は溶解する。

(16)プレートリーダーなどの測定機の条件によっては、陽性コントロールの吸光度が測定機の上限値を超える場合がある。その場合は、その測定機の吸光度の上限値を陽性コントロールの測定値とすること。

(17)構成試薬には動物血液成分を含む物がある。取り扱いに注意し、使用後は手洗いなどをすること。

(18)検体の採材には、汎用の採材器具・解剖器具を使用できる。

【取扱い上の注意】

(1)有効期限切れの試薬は使用しないこと。

(2)外観または内容に異常を認めたものは使用しないこと。

(3)反応停止液は強酸性(0.5mol/L 硫酸)のため、衣服・皮膚等への接触及び廃棄には十分注意すること。

(4)ガラス容器入りの試薬は破損に注意すること。

(5)検査材料をこぼした場合は、次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素濃度2%)で拭き取ること。

(6)検体、使用済キット及び汚染物質は、次のいずれかの方法により浄化してから地方公共団体条例等に従い、処分、廃棄すること。

○1mol/L水酸化ナトリウム溶液に1時間以上浸漬する。

○次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素濃度2%)に1時間以上浸漬し、よく水洗した後、通常滅菌する。

○134℃、20分間以上オートクレーブ処理を行う。

【保管上の注意】

(1)小児の手の届かないところに保管すること。

(2)直射日光、加温及び凍結は品質に影響を与えるので避けること。
貯蔵方法 2~8℃で保存する。
備考
反芻動物由来物質有無 由来物質有り
反芻動物由来物質原産国名 米国
副作用情報
No. 報告年月日 動物種 品種 転帰