2023/10/03
報告年月日 | 2023/09/22 |
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報告者区分 | 製造販売業者 |
発現の要因
1
医薬品名 | パラディア錠50 |
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製造販売業者名 |
ゾエティス・ジャパン株式会社 |
医薬品区分 | 生物学的製剤以外 |
一般的名称又は主成分 |
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投与者 | 動物の所有者 |
投与年月日等
No. | 投与期間 | 投与経路 | 投与量 |
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1 | 2023/08/17〜2023/08/29 | 経口投与 | 1ドーズ |
投与前の保管状況 | 常温保存 |
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発現動物
発現頭羽数/投薬頭羽数 | 1頭羽/1頭羽 |
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種類 | 犬 |
品種 | エアデールテリア |
性 | 不明 |
生殖状態 | 不明 |
生理状態 | 不明 |
年齢 | 実測 4年 |
体重 | 実測 20kg |
投与する前の診断名又は投与目的 | 再発した肥満細胞腫の治療 |
投与したときの健康状態 | 不良 |
既往歴 | 2022年3月と7月に、乳腺の肥満細胞腫(c-kit -)を2回切除手術した。 |
副作用歴 | 当該製品:なし 当該製品以外:不明 |
医薬品の投与歴 | 当該製品:なし 当該製品以外:不明 |
発現の概要及び転帰
都道府県名・国名 | 国内:東京都 |
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発生年月日 | 2023/08/18 |
投与から副作用・感染症発現までの時間 | 1日くらい |
効能・効果 | 不明 |
用法・用量 | 用法・用量のとおり |
併用薬 | あり:プレドニゾロン1㎎/kg SID(メーカー名不明) |
副作用・感染症の種類(症状) | 下痢、下血、発熱、白血球・血小板の減少、DIC(播種性血管内凝固症候群)の症状、小腸・大腸の充血・壊死状態、黒色便(メレナ)、紫斑、黄疸、多臓器不全、死亡。 |
講じた処置 | 治療(詳細不明。) |
転帰 | 死亡 |
同時に投与した他の動物の情報 |
意見・対応処置等
因果関係 | 不明 |
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獣医師等の意見 | 併用薬でプレドニゾロンも使用しているが、パラディア錠以外に考えられない。因果関係はあると考えられる。 |
製造業者等の意見 | 昨年2回の肥満細胞腫の外科的切除を受けていたが、今年再発した肥満細胞腫の治療のために、パラディア錠を投与された犬(エアデールテリア・4歳・性別不明)が、投与翌日に下痢、3日後にも下痢を呈し、投与開始12日後を最後に投与を中止するも、下痢が悪化、下血を繰り返し、投与中止翌日に二次診療病院に転院したが、激しい下痢が続き、投与中止2日後、発熱、白血球、血小板の減少などDIC(播種性血管内凝固症候群)症状が認められ、試験開腹では小腸・大腸の充血、壊死状態が確認され、その後も黒色便(メレナ)、紫斑などDICの症状が続き、投与中止4日後には黄疸が発生、多臓器不全の状態に陥り、投与中止7日後に死亡した事例である。本剤の投与により、迅速な治療を必要とする重度の下痢あるいは消化管出血が発現する場合があるため、投与翌日から認められた下痢ならびに投与開始12日後の下痢・下血については、因果関係はないとは言えないと考える。投与中止2日後から認められたDICについては、激しい下痢・下血に続き認められていること、試験開腹にて小腸・大腸の充血・壊死が確認されていることから、重篤な消化管障害から引き起こされたと考えられ、本剤投与中から認められた消化器症状が引き金となった可能性は否定できない。しかし、併用されたプレドニゾロンの添付文書にも消化管出血の副作用が記載されていること、ならびに原疾患である肥満細胞腫によっても消化管障害が起こることがあることから、因果関係については不明と考える。 |
要因究明・対応措置の内容 | 今後も同様の副作用情報の収集に努める。 |