2023/11/14

報告年月日 2023/11/01
報告者区分 製造販売業者

発現の要因

1

医薬品名 ベトルファール5mg
製造販売業者名

明治アニマルヘルス株式会社

医薬品区分 生物学的製剤以外
一般的名称又は主成分
  • 01:ブトルファノール酒石酸塩
投与者 獣医師

投与年月日等

No. 投与期間 投与経路 投与量
1 2022/04/28 静脈内注射 0.18ml
投与前の保管状況 室温保存

発現動物

発現頭羽数/投薬頭羽数 1頭羽/1頭羽
種類
品種 雑種
メス
生殖状態 避妊・去勢済み
生理状態 不明
年齢 実測 11年
体重 実測 4.6kg
投与する前の診断名又は投与目的 パンティング状態、後脚麻痺、検査目的の鎮静
投与したときの健康状態 不良
既往歴 両後脚麻痺、排尿障害、排便障害、腰部に神経障害
副作用歴 不明
医薬品の投与歴 不明

発現の概要及び転帰

都道府県名・国名 国内:東京都
発生年月日 2022/04/28
投与から副作用・感染症発現までの時間 1時間未満
効能・効果 適応外使用
用法・用量 用法・用量外
併用薬 なし
副作用・感染症の種類(症状) 嘔吐、心肺停止、死亡
講じた処置 治療(心肺蘇生処置(心臓マッサージ、人工呼吸)、アトロピン硫酸塩、アドレナリン注投与(投与量不明))
転帰 死亡
同時に投与した他の動物の情報

意見・対応処置等

因果関係 因果関係がないとはいえない
獣医師等の意見 因果関係はないと考える。当該症例は、来院時から全身状態がかなり悪いと判断されたため、投与の有無に関わらず同様な転帰をたどっていた可能性が高い、
製造業者等の意見 本剤主成分のブトルファノール酒石酸塩は他のオピオイドに比較して副作用発現は少ないとされているが、本剤の添付文書には呼吸抑制、循環抑制(血圧低下、徐脈)等の副作用に関する記載と共に、使用上の注意事項として「一般状態の悪い犬、猫には慎重に投与すること」、「一般に高齢の犬、猫では生理機能が低下しているので減量するなど注意して使用すること」と記載されている。当該症例は、11歳の猫、両後脚に麻痺、排尿および排便障害、腰部の神経障害等が既往歴にあり来院時もパンティング状態で極度の緊張状態が疑われ全身状態がかなり悪いと診断されている。そのためベトルファール投与に通常と異なる生体反応が起こった可能性は否定できない。
一方、実際に本症例を診察した獣医師の「ベトルファール投与とは無関係に同様な転帰を辿った可能性が高い」という意見は説得性がありその可能性がより高いと考える。従って、因果関係がないとは言えないと判断した。
要因究明・対応措置の内容 ブトルファノールを投与した猫の副作用(死亡事例)として農林水産大臣報告すると共に、本剤について今後も安全管理情報の収集を継続し、安全且つ効果的な使用方法の啓発に努める。