2024/05/20

報告年月日 2024/05/05
報告者区分 製造販売業者

発現の要因

1

医薬品名 ディアバスター錠
製造販売業者名

リケンベッツファーマ株式会社

医薬品区分 生物学的製剤以外
一般的名称又は主成分
  • 01:タンニン酸ベルベリン
  • 02:次硝酸ビスマス
  • 03:ゲンノショウコ乾燥エキス
  • 04:五倍子末
  • 05:ロートエキス散
投与者 動物の所有者

投与年月日等

No. 投与期間 投与経路 投与量
1 2024/04/02〜2024/04/04 経口投与 1/2錠 1日2回
投与前の保管状況 添付文書記載の保存方法

発現動物

発現頭羽数/投薬頭羽数 1頭羽/1頭羽
種類
品種 MIX
メス
生殖状態 無処置
生理状態 不明
年齢 実測 7月
体重 実測 2.3kg
投与する前の診断名又は投与目的 下痢
投与したときの健康状態 不良
既往歴 マンソン裂頭条虫
副作用歴 なし
医薬品の投与歴

発現の概要及び転帰

都道府県名・国名 国内:岡山県
発生年月日 2024/04/03
投与から副作用・感染症発現までの時間 1日くらい
効能・効果 適応どおり
用法・用量 用法・用量のとおり
併用薬 あり:犬・猫用フルオロキノロン系抗菌剤(製品名:ビクタスSS錠、規格:不明用法用量:4.6~5.0 mg/kg、投与頻度:不明)
副作用・感染症の種類(症状) 視力喪失
講じた処置 投与中止
転帰 後遺症あり
同時に投与した他の動物の情報

意見・対応処置等

因果関係 不明
獣医師等の意見 以前から使用していたビクタス錠の影響が大きいと考えている。
製造業者等の意見 本剤は止瀉薬(タンニン酸ペルベリン)、収斂薬(次硝酸ビスマス)に生薬成分(ゲンノショウコ乾燥エキス、五倍子末、ロートエキス散)を加えた複合製剤である。これまで同成分を含む製剤において、今般の事例に類似した副作用報告は確認されていない。ロートエキス散は、抗コリン作用および軽度の局所麻酔作用を有する鎮痛、鎮攣剤である。人体用医薬品においては、眼圧上昇、排尿障害、頻脈等の副作用が知られており、頻度不明の副作用として、「散瞳、羞明、霧視、調節障害等」が注意喚起されている。
今般の事例では、当該製剤の投薬後に視力喪失が認められたため、本剤の投与が症状発現の要因となった可能性も考えられた。
しかしながら、当該動物は本剤投与前から10日間の犬・猫用フルオロキノロン系抗菌剤(製品名:ビクタスSS錠、規格:不明、用法用量:4.6~5.0 mg/kg、投与頻度:不明)の投与がされており、ビクタスSS錠の副作用報告では、6ヶ月例の猫(品種:不明、性:去勢雄、体重:2.9 kg)において、視覚障害が認められたことが報告されている。加えて、ビクタスSS錠の有効成分であるオルビフロキサシンは、猫において、網膜変性を起こすことが報告されている(Wiebe V, Hamilton P. Fluoroquinolone-induced retinal degeneration in cats. J Am Vet Med Assoc. 2002 Dec 1;221(11):1568-71.)。
また、本事例は、猫伝染性腹膜炎、緑内障、進行性網膜萎縮などを鑑別するための精密検査を実施しておらず、当該製剤以外による要因が関連している可能性も考えられた。
なお、担当獣医師は「以前から投薬していたビクタス錠の影響が大きいと考えている」と因果関係の評価を行っている。
以上のことより、視力喪失の原因が当該製剤である可能性は不明であるが、視覚障害を確認していることから、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第68条の10第1項に基づき、農林水産省に本件を報告し、今後も同様の症例の収集に努めていくこととする。
要因究明・対応措置の内容